12/24/2023

良い絵

Fire Fox Dog, watercolor on paper, 148 x 210 mm, 2023

私が今思う良い絵というと、他の誰のためでもなく自分が喜ぶためだけに描きたくて描く絵。

以前は画力や見え方に囚われて固くなっていたけれど、それよりも自分が日々続けたくなるような、そんな大小問わない衝動から絵を描いていれたらそれで良いなと思う。そうやってできた絵は、私の素直で大切な一部。いまと子どもの私。ただそういう存在。

絵画だけじゃなく他の芸術も、誰かの作品を見るときはジャッジする気持ちより「これがあなたの大事な部分なんですね」という見方ができる方が楽しい。以前は私はそれができていなかったので。これって人との関係にも似ている。

12/15/2023

A Dog on the Ground, mixed media, 2023


 2023年はこれまでで一番自分と向き合った年。

子供の時から気分変調症や不安障害などを患っていて、1年少し前からようやくオランダでセラピーに通っている。子供の時からと言っても、今回診断を受けた際にようやく自覚した具合。それまでは芸術や他のことでどうにかやっていたけれど、自分じゃ太刀打ちできないと思ったのが去年の夏頃だった。もう精神の不調で苦しむのはこりごり、変わりたいという気持ちと、良い医師に出会えたことで、少しずつ成長している。覚えている限り思春期から「誰も私の辛さを分からない」「ここに属していない」という気持ち、生きづらさを抱えていたけれど、いまはそれも薄らいできたよう。

人からの愛を学んでいる時でもある。何をしろという訳でもなく、物理的な距離に関わらない、ただいつでもそこにいてくれる存在。でもこれからは、わたしがわたしをいちばんに愛す番、と最近よく思う。

9/18/2023

Feist - Multitudes





9月13日にカナダ出身のミュージシャン Feist のライブに行ってきました。

彼女のことをちゃんと知ったのは映画「500日のサマー」(2009)の作中、Mushaboomという曲が使われていたのがきっかけ。Feistのライブに行くのも、オランダでコンサートに行くのも初めてで、ライブに行くこと自体何年ぶりのこと。

ギター弾き語りから始まり、ストーリーテリング、スマホで会場をプロジェクターに映し歩いたり、途中に突然バンドが登場したり。どこからどこまでが演出なのか分からなくなる遊びと愛の詰まったパフォーマスでした。セットリストは新しいアルバム「Multitudes」とアレンジされた過去の曲。お茶目で聡明で孤独で愛があって、こんなに声ひとつひとつに人柄が満ちた歌のうまい人がいるのかと思った。(一般人な感想すぎ?)

ちょっと泣いてめちゃくちゃ踊ってうっとり見惚れて、何日でも眺めていられたな。




私には数年前に今までの人生にないくらいショックで後悔した出来事があって、「なんてことしたんだろう」とずっとそこから抜け出せなかったんだけど、最近やっとその自分を受け入れて優しくなれるようになってきた。
ライブを見ながら、私がこんな気持ちになれるなんて、ついこのあいだまで思っていなかったヨ、と思った。このライブはご褒美。



今回のツアー映像 in 私が行ったのとは別の街 どの演奏も良かったけどこの曲がベストでした

7/28/2023

Broaden Your Minds, You Must Look Beyond



前回のブログで音楽について書いたので、流れで過去に描いたアルバムアートワークを一つご紹介。
これは2018年にミュージシャン annie the clumyのアルバム「Broaden Your Minds, You Must Look Beyond」のために描いた作品。私のウェブサイトのトップページにも使用中。

annieは音楽活動を始めたときからアートワークを任せてもらっていて、いつも結構自由に描いている。この作品も、デモをもらって聴いた第一印象で抽象が合うと思って、何点か提案させてもらったうちの一つ。いつもウクレレを弾いているannieだけど、このアルバムは電子音もよく使っていて浮遊感が印象的だった。
アクリル絵具で紙に描いて、一部コラージュを使って構図を整えました。今でもお気に入りの作品。

7/27/2023

懐メロばっかり聞いてたらあかんで

と音楽業界で働く親友にこないだ言われてから、最近の音楽をまた掘るようになりました。新しいのもちゃんと聴かないとだめらしいです。しばらく宇多田ヒカルと90〜00年代の邦楽(mfloとか)ばかり聞いていた。

普段描いている絵からはそんな感じしないかもしれないけれど、邦楽だと子供の時からもっぱらラップが好きです。中学生の時はリップスライムのファンクラブに入っておりました。
というわけで、いまよく聴いている曲。一曲目は、終盤にかけて駆ける感じとスチールパンが気持ち良い。UAの「お茶」は健康にぶっ飛ぶ感じ音楽のアートワーク描きたいな。


7/19/2023

ソクラテス式対話

Letter To Myself, acrylic and oil on paper, 2023


2ヶ月ほど前から参加しているオランダ語の教室に、2週間前ゲストが来た。アムステルダム市役所で働く、ソクラテス式対話という対話方法を実施する人で、その日の課題は「他人の話を固定観念を捨て、ただ聞き、受け入れる」こと。

人はそれぞれ自分のストーリーがあって現在につながっていて、他人の話を聞くときには自身のフィルターを通して良し悪しを判断したり、次に言う言葉を考えたりする。でも、「私とあなたは違う人間」「私の世界が全てでない」ということを前提にただただ、相手の話を理解できなくても受け入れる。
そこから自分の固定観念に気づいて、自分自身のまだ知らない可能性、選択肢に気づくかもしれない。
そういう対話の方法を、政治や地域の話合いの場などで使い司会をしているのがその市役所の人だった。
面白そうやけどそんなことってまだなかなか難しいし、私も感情がありますので、と思いながら説明を聞いていた。

一通り説明が終わって出されたお題は「私をしばっていた固定観念とそれがうまれた経緯」。
1時間半ほどかけて、ゲスト講師、いつもの先生も生徒も、順番に話していく。オランダ人、中東からの難民、アジア、アフリカ人とバックグラウンドは多様だ。
いつも会う時は平常でいるようにしていて、すぐには見せないパーソナルな部分。私自身、自分のバックグラウンドなどについて周囲にオープンになったのはつい最近のこと。

私をついこの間までしばっていた固定観念は、「結婚したり子供ができたり仕事で"成功"すれば幸せ」だった。
いろんなことを経て3年前、27歳、憧れだったオランダに来て、6年間遠距離恋愛をした人と同棲。欲しかった犬を迎えて仕事も得て、どれほど幸せになるだろうと思いきや、私は幸せを感じなかった。そこには生活があるだけで、大人になっても抱える穴はもう誰かや何かで魔法のようには埋められず、それよりも余計に孤独で辛かった。
私はそんな固定観念が自分に染み付いているなんてそれまで思ってもいなくて、何なら自分は好きなよう自由に生きているとさえ思っていたのに。
そんなことを背景もそえて話した。
ゲスト講師が彼と彼の父親について話を始めてから、私を含むみんなが「自分も」と本音で話し始めて、話し手以外は何もコメントせずただただ聞いた。
このソクラテス式対話を取り入れたワークショップのことは、授業が終わってもショックというか、数日ずどーんと胸に余韻が響いていた。パーソナルな話には、なんだか分からないけど人と人を突き動かす力がある。

4/07/2023

Undercooled

坂本龍一さん。思春期に当時の音楽の先生から、これ聴いてみとラストエンペラーのアルバムを渡され、それからずっとファンでした。心のまま何でもやってしまう、自由で偉大な人。

遺された作品、私も命あるかぎり大切に聴き続けよう。


3/31/2023

ぼんじゅーる

これまでメインのブログに時たま日本語日記を投稿していましたが、そちらは告知のみに絞ることにして、日記用にこちらのブログを作りました。中学生の時、携帯で初めてHTMLを使い自分の"ホムペ"を作っていた頃から、ブログを書くのが変わらず好きです。海外生活で日本語のアウトプットにも飢えているから、ちょうどいいし。生活や絵のことその他いろいろ、気分で更新していきます。ご興味あればどうぞ〜。