7/28/2023

Broaden Your Minds, You Must Look Beyond



前回のブログで音楽について書いたので、流れで過去に描いたアルバムアートワークを一つご紹介。
これは2018年にミュージシャン annie the clumyのアルバム「Broaden Your Minds, You Must Look Beyond」のために描いた作品。私のウェブサイトのトップページにも使用中。

annieは音楽活動を始めたときからアートワークを任せてもらっていて、いつも結構自由に描いている。この作品も、デモをもらって聴いた第一印象で抽象が合うと思って、何点か提案させてもらったうちの一つ。いつもウクレレを弾いているannieだけど、このアルバムは電子音もよく使っていて浮遊感が印象的だった。
アクリル絵具で紙に描いて、一部コラージュを使って構図を整えました。今でもお気に入りの作品。

7/27/2023

懐メロばっかり聞いてたらあかんで

と音楽業界で働く親友にこないだ言われてから、最近の音楽をまた掘るようになりました。新しいのもちゃんと聴かないとだめらしいです。しばらく宇多田ヒカルと90〜00年代の邦楽(mfloとか)ばかり聞いていた。

普段描いている絵からはそんな感じしないかもしれないけれど、邦楽だと子供の時からもっぱらラップが好きです。中学生の時はリップスライムのファンクラブに入っておりました。
というわけで、いまよく聴いている曲。一曲目は、終盤にかけて駆ける感じとスチールパンが気持ち良い。UAの「お茶」は健康にぶっ飛ぶ感じ音楽のアートワーク描きたいな。


7/19/2023

ソクラテス式対話

Letter To Myself, acrylic and oil on paper, 2023


2ヶ月ほど前から参加しているオランダ語の教室に、2週間前ゲストが来た。アムステルダム市役所で働く、ソクラテス式対話という対話方法を実施する人で、その日の課題は「他人の話を固定観念を捨て、ただ聞き、受け入れる」こと。

人はそれぞれ自分のストーリーがあって現在につながっていて、他人の話を聞くときには自身のフィルターを通して良し悪しを判断したり、次に言う言葉を考えたりする。でも、「私とあなたは違う人間」「私の世界が全てでない」ということを前提にただただ、相手の話を理解できなくても受け入れる。
そこから自分の固定観念に気づいて、自分自身のまだ知らない可能性、選択肢に気づくかもしれない。
そういう対話の方法を、政治や地域の話合いの場などで使い司会をしているのがその市役所の人だった。
面白そうやけどそんなことってまだなかなか難しいし、私も感情がありますので、と思いながら説明を聞いていた。

一通り説明が終わって出されたお題は「私をしばっていた固定観念とそれがうまれた経緯」。
1時間半ほどかけて、ゲスト講師、いつもの先生も生徒も、順番に話していく。オランダ人、中東からの難民、アジア、アフリカ人とバックグラウンドは多様だ。
いつも会う時は平常でいるようにしていて、すぐには見せないパーソナルな部分。私自身、自分のバックグラウンドなどについて周囲にオープンになったのはつい最近のこと。

私をついこの間までしばっていた固定観念は、「結婚したり子供ができたり仕事で"成功"すれば幸せ」だった。
いろんなことを経て3年前、27歳、憧れだったオランダに来て、6年間遠距離恋愛をした人と同棲。欲しかった犬を迎えて仕事も得て、どれほど幸せになるだろうと思いきや、私は幸せを感じなかった。そこには生活があるだけで、大人になっても抱える穴はもう誰かや何かで魔法のようには埋められず、それよりも余計に孤独で辛かった。
私はそんな固定観念が自分に染み付いているなんてそれまで思ってもいなくて、何なら自分は好きなよう自由に生きているとさえ思っていたのに。
そんなことを背景もそえて話した。
ゲスト講師が彼と彼の父親について話を始めてから、私を含むみんなが「自分も」と本音で話し始めて、話し手以外は何もコメントせずただただ聞いた。
このソクラテス式対話を取り入れたワークショップのことは、授業が終わってもショックというか、数日ずどーんと胸に余韻が響いていた。パーソナルな話には、なんだか分からないけど人と人を突き動かす力がある。